助成金活用のヒント

人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)

 

Hパート・アルバイトなどの有期雇用労働者の処遇改善や、正社員転換を目的として事業主が訓練を実施した場合に、その経費や訓練期間中の賃金について助成されます

特別育成訓練コースには2種類ありますが、そのうち「一般職業訓練コース」についてご紹介します。
なお、大企業の場合及び生産性要件を満たした場合については省略しています。


【おすすめポイント】

「特別育成訓練コース」を受給した後に「キャリアアップ助成金 正社員化コース」を申請すると、1名につき95,000円が加算されます。
今年度から、e-ラーニングや通信制の訓練も対象になりました。
各労働者がスキマ時間や業務の閑散期などに合わせて、自席などから訓練に参加するなど、柔軟な対応が可能です。

 


【対象となる措置】

有期契約労働者等に、OFF-JT訓練を行うこと。

OFF-JTとは、厚生労働省のパンフレットによれば「生産ラインまたは就労の場における通常の生産活動と区別して、業務の遂行の過程外で行われる訓練」とあります。
つまり、職場や通常業務から離れた場所で行われる訓練のことです。

【助成内容】

1.賃金助成
訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
1名1時間につき760円(上限は1,200時間)※e-ラーニング・通信制による訓練等は下記に示す経費助成のみです。
2.経費助成
 実施した訓練について支払った額に助成率(70%または60%)を乗じた額と、訓練時間に応じた限度額のうち、低いほうの額が助成されます。

「経費助成率」は、訓練終了後に正社員化した場合は、非正規雇用を維持した場合より高くなります。経費助成限度額
20時間~100時間未満:10万円

100時間~200時間未満:20万円
200時間以上:30万円

※e-ラーニング・通信制による訓練等の場合は企業規模に応じて「20時間以上100時間未満」の 区分とされます。

【対象となる訓練】

OFF-JTで行われる訓練で、次の(1)から(3)のすべてに該当する職業訓練

(1)1コース当たり1年以内の実施期間
(2)1コース当たり20時間以上の訓練時間数
(3)次のいずれかに該当する訓練

 a. 自社内で、部外講師(社外から招へいするもの)

部内講師(自社従業員であるもの)による訓練
事業主自ら運営する認定職業訓練

※講師には保持免許や実務経験など、一定の要件があります。

 b. 社外の教育訓練機関に受講料を支払い、受講させる訓練


【支給対象とならない訓練の例】

・職務に直接関連しない訓練等
・法令等で講習等の実施が義務付けられており、事業主にとってもその講習を受講しなければ事業を実施できないもの(労働安全衛生法に基づく講習等)   など

 


【支給対象とならない実施方法の例】

・業務上の義務として実施されるものではなく、労働者の自発的な発意により実施されるもの
・e-ラーニングによる訓練等のうち、定額制サービスによるもの
・生産ラインまたは就労の場で行われるもの
・通常の生産活動と区別できないもの    など

 


【対象となる経費】

・事業場内訓練に要した部外講師への謝金、旅費(上限あり)
施設・設備の借り上げ料、学科又は実技の訓練に必要な教材費など
・事業場外訓練に要した入学金、受講料、受験料、教科書代など


【受給手続き】

1.訓練計画書の作成
2.訓練開始の1か月前までに計画届を提出
3.訓練を外部へ委託する場合は受講申し込み
4.計画届の提出日から6か月以内に訓練の実施
5.訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請 (通信制の場合は計画期間終了日の翌日から2か月以内)


【注意点】

受講者が計画時間数の8割以上を受講していない場合は支給されません。

「所定」労働時間外に実施される訓練については、36協定が提出されており、法定通り割増賃金が支払われていたとしても「賃金助成」は行われません。「経費助成」は対象となります。

休日に実施される訓練については、所定休日と振り替えて実施した場合、助成対象となります。

 

 

※令和4年4月時点でのパンフレットを基にしています。

制度の詳細については、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークのHP等をご参照ください。

 

 

 

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