※スポットワークとは?
短期・単発の仕事をアプリでマッチングする仕組みの総称で、柔軟な働き方の一方、労務管理の課題も指摘されています。
短期・単発の仕事をアプリでマッチングする仕組みの総称で、柔軟な働き方の一方、労務管理の課題も指摘されています。
近年、雇用仲介アプリを通じて短時間・単発で働く「スポットワーク」が広がりを見せています。柔軟な働き方を可能にする一方で、契約や労務管理をめぐるトラブルも増加しており、厚生労働省や各地の労働局が注意喚起を強めています。
厚労省がリーフレットを作成
厚労省は今年7月、スポットワークにおける労務管理上の留意事項をまとめたリーフレットを公表しました。内容は以下のように整理されています。
- 労働契約の成立時期
原則として、求人に応募した時点で労働契約は成立すると考えられます。
面接を経ない先着順採用が多いため、認識のズレが起こりやすい部分です。 - キャンセルや休業の取扱い
契約成立後に事業主都合で休業させる場合は休業手当の支払いが必要。
さらに事業主の故意や過失による場合は、賃金全額の支払い義務が生じます。 - 労働時間の考え方
制服への着替えや片付けなども労働時間に含まれます。求人段階で始業・終業時刻に反映させることが求められています。
東京労働局でも相談増加
一方、東京労働局は4月から8月中旬までに、スポットワーカーから少なくとも20件以上の相談を受けたと明らかにしています。特に多いのは「勤務日の一方的なキャンセル」に関する休業手当のトラブルです。
その他にも、
- 労働条件通知書が交付されない
- 募集段階と実際の仕事内容が違う
- 即日払いとされていた賃金が支払われない
- 始業前集合を命じられたが、その時間の賃金が支払われない
といった相談が寄せられています。
同労働基準監督課は「スポットワーカーも通常の労働者と同じ扱い。法令違反の疑いがあれば調査・是正指導を行う」とし、企業に適正な運用を求めています。
企業に求められる対応
スポットワークは人手不足対策や働き手のニーズに応える仕組みとして有効です。しかし、契約の認識不足や管理の甘さは、トラブルや法令違反に直結します。
企業としては、
- 求人票や通知書で労働条件を明示する
- 休業時の補償を適切に行う
- 労働時間を正しく把握する
といった基本的な対応を徹底することが重要です。
まとめ
スポットワークは「柔軟な働き方」を支える一方で、従来以上に丁寧な労務管理が求められる働き方です。厚労省のリーフレットや労働局の情報を参考に、トラブルを未然に防ぐ仕組みづくりを進めていきましょう。














