外国人労働者の労災が増えています
外国人労働者を採用する企業が増える一方で、言葉や文化の違いが原因となる労働災害も後を絶ちません。
スクリューコンベアへの巻き込まれ事故や、車両整備中の死亡事故など、痛ましい災害も実際に発生しています。
こうした事故は、従業員本人だけでなく、会社にとっても大きな損失です。
経営者が本当に望んでいるのは、外国人労働者を「採用すること」ではないですよね。
安心して働き続けてもらい、会社を支える大切な戦力として活躍してもらうことではないでしょうか。
そのためには、安全に働ける職場環境づくりが欠かせません。
今回は、外国人労働者の労災防止に役立つポイントと、その取り組みを支援する「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」をご紹介します。
外国人労働者就労環境整備助成コースが大幅縮小へ?現行制度での申請は9月中に
1.外国人労災防止のカギは「母国語教育」と「理解度確認」
労働基準監督署の調査によると、外国人雇用事業場では、
・安全標識などの多言語化を実施していない事業場 27.1%
・安全教育後の理解度確認を実施していない事業場 16.7%
となっています。
安全教育は、「説明したから終わり」ではありません。
相手が理解し、安全に行動できる状態になることが、労災防止には重要です。
母国語による安全教育
日本語では伝わりにくい細かなニュアンスも、母国語であれば理解しやすくなります。
最近では生成AIを活用し、多言語の安全教育資料を効率よく作成する企業も増えています。
理解度の確認
教育後にはテストや質問などで理解度を確認しましょう。
「教えた」ではなく「伝わった」を確認することが、事故防止につながります。
2.助成金を活用して、安全な職場づくり
外国人労働者が安心して働ける環境を整えるには、翻訳や通訳、多言語表示など一定の費用がかかります。
そこで活用したいのが、人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)です。
この助成金は、外国人特有の事情に配慮した就労環境を整備し、離職率の低下につながった事業主を支援する制度です。
支給額
1つの措置につき20万円(上限80万円)
主な対象経費
◆翻訳料・通訳料
◆多言語標識・掲示物の設置、改修費
◆面談時に使用する翻訳機器の導入費
労災防止につながる取組
助成金の対象となる選択メニューの中でも、社内マニュアルや安全標識の多言語化は、労災防止に直結する取り組みです。
危険箇所や作業手順が正しく伝わることで、重大事故のリスクを減らすことができます。
3.助成金を受給するためのポイント
主な要件は次のとおりです。
◆雇用保険被保険者である外国人労働者を雇用していること。
◆就労環境整備計画を事前に作成し、労働局へ提出すること。
◆計画実施後6か月間の外国人労働者の離職率が15%以下であること。
制度には細かな要件や申請のコツがありますので、事前に確認しながら進めることをおすすめします。
まとめ 外国人が安心して働ける職場は、会社の強みになります
外国人労働者の安全対策は、「コスト」ではありません。
安心して働ける職場は、労災リスクの低減、人材の定着、採用力の向上、企業への信頼向上につながる、将来への投資です。
経営者が本当に目指しているのは、「外国人社員が安心して働き、会社の成長を支えてくれる職場」ですね。
「助成金を活用しながら進めたい」という方は、ぜひ当事務所へご相談ください。















