定年を迎えたのちの有期雇用契約には、適切な労務管理が必要
今年になって、3社、申請しました。
当事務所では、この認定申請を、50代パートさんを無期転換する「高年齢者無期雇用転換コース」や定年延長をすると助成される「高年齢者継続雇用促進コース」を受任した会社様には、無償で行っています。(第二種があるということは第一種もありますが、ここでは割愛)
通常、申請してから2週間前後で認定され、管轄労働局から会社様宛に電話があり、その後レターパック(赤)で2~3日後には会社様のもとに認定通知書が送られます。
ところが今回、申請した会社様から、「計画認定されたという労働局からの電話の後、1週間を過ぎても認定通知書が郵送されてこない」とご連絡がありました。「はて?」と思い、労働局に確認してみると「今年に入って、申請数がすごく増えたため、認定されたことを会社に電話はすぐにするけれども、郵送の事務処理が追いついていない」とのことだったのです。
では、これは何の申請でしょう?
簡単に説明すると「定年後に有期労働契約を締結した場合、何回更新しても、契約期間が通算何年になっても、無期労働転換申込権が発生しなくなる」という効力を発生させる申請です。
なぜ、この申請をするのか?
労働契約法第18条(無期転換ルール)があるからです。
無期転換ルールとは、同一の使用者との間の有期労働契約が更新されて、その契約期間が通算して5年を超える場合は、労働者が無期労働契約への転換を申し込みする権利が発生し、労働者が申し込むと使用者は申し込みを承諾したものとみなされる、というものです。
このルールは、定年後の継続雇用にも適用されます。
例えば、65歳で定年になったあと再雇用し、1年ごとの有期労働契約に切り替わった労働者が、契約を更新してその期間が5年を超えると無期労働契約転換の申し込み権が発生し、それを行使されると、70歳を超えていても会社は拒否できないのです。無期労働契約ですから、その人が80歳になっても100歳になっても雇い続けなければならず(青天井)、本人から申し出がない限り辞めさせることは容易ではありません。人手不足のいま、元気で働いてくれるうちはいいのですが、労働のパフォーマンスが落ちてきたときにどうするか?
そこで検討しないといけないのが、この第二種計画認定申請です。先述の通り、この認定がされると、定年後再雇用され、有期労働契約が更新されても、無期労働契約申し込み権が発生しなくなるのです。