採用できない原因は“ズレ”です。中小企業が見落とす福利厚生の本当の効果
最近、求人票の作成サポートをしていて強く感じることがあります。
「自社の理想」と「採用市場の現実」がズレている企業が非常に多いということです。
そしてこのズレこそが、
「応募が来ない」「採用できない」根本原因になっています。
今こそ、その現実を直視してみませんか。
「うちもズレているかもしれない」と感じた方へ
1.データが示す「給与より福利厚生」の重要性
「給料を上げれば人が来る」という前提を疑う必要があります。
マイナビの調査によると、2025年卒の学生が企業選びで最も重視するのは
「福利厚生が充実している(40.9%)」で、「給与が高い(37.0%)」を上回っています。
この傾向は2018年以降から続いています。
つまり求職者は、
「いくらもらえるか」より「その会社でどのようなサポートを受けられるか」をシビアにチェックしています。
2.「出世」よりも「楽しさと安心」
企業側は、「入社したらバリバリ働いて、早く出世してほしい」と期待しがちですが、採用市場の現実は正反対です。
マイナビの調査では、「出世したい」と考える学生は今や1%未満という結果です。
今の若者が求めているのは、
・レクリエーションやスポーツ支援など、職場に「和気あいあいとした雰囲気があること」(約37%)や
・個人の生活と仕事を両立させたいという「安心」(約26%)です。
出産や育児、介護といったライフイベントへの支援が、彼らにとって働く上での「安心感」につながっています。
この価値観を無視して「やりがい」「出世」だけを訴求しても、響きません。
なお、こうした両立支援の制度は、
両立支援助成金(出生時両立支援両立支援コース・男性育休取得で助成されます)
を活用して整備することもできます。
3.採用しても辞める「ザル採用」
現在の20代の離職率は年間12〜13%と高水準です。人手不足だからと言って、無理に採用しても「定着」しなければ意味がありません。
採用コストをかけてもすぐ辞める
現場の負担が増える
組織が疲弊する
という悪循環に陥ります。
4.福利厚生は「定着率」を上げる投資
ある調査では、福利厚生を利用している社員ほど、会社への信頼感が高まり、「長く勤務したい」という意識が強くなるという結果が出ています。社員に「大切にされている」という感覚を抱かせ、定着率を高める特効薬になります。
福利厚生はコストではなく、「選ばれ続けるための仕組み」です。
5.厳しい話をします。
採用相談を受けていると、正直、思います。
「求人条件は厳しい、要求水準が高いのに自社の仕組みが整っていない」ケースの多さです。
求人票セミナーでも、いつも冒頭でこう言います。
「かつては会社が人を選ぶ時代でしたが、今は求職者から選ばれる時代に変わってきています。」
・即戦力が欲しい
・人柄も重視したい
・長く働いてほしい
・できれば、若いほうがいい
・でも、給料は抑えたい・・・
これらをすべて満たす人材は、市場にはほとんど存在しません。仮にいたとしても、その人材が御社を選ぶ理由は何でしょうか?
6.採用は「条件」か「魅力」の勝負
条件で勝てない場合、問われるのは「その会社で働く理由=魅力」です。
求職者は複数社を比較し、瞬時に判断しています。
だからこそ、「自社ならではの価値・魅力」を整備し、かつ適切に言語化する必要があります。
結論:採用は現実を受け入れた企業からうまくいく
採用がうまくいく企業は、市場の現実を前提に設計しています。
条件で勝負するのか、魅力で勝負するのか。
この整理だけでも、結果は大きく変わります。











