介護離職、他人事ではありません
「突然、親の介護が必要になって……退職するしかありませんでした」
こんな声が多く聞かれます。
私の親族も、つい最近 急に要介護認定が必要な状態だとわかり、慌ててしまいました。
介護は、育児とは違ってある日突然始まります。しかも、その終わりは見通しづらく、負担は長期化しがちです。
実際、厚生労働省の調査(2023年)では、介護・看護を理由に離職した人は約7.3万人。しかもそのうち約8割が女性で、50代が最も多いという結果が出ています。
介護離職は、本人の生活を大きく揺るがすだけでなく、企業にとっても貴重な人材を失う深刻な問題です。
人手不足が続く中、企業ができる「備え」はますます重要になっています。
企業が取るべき5つの対策
介護離職を防ぐためには、「困ってから対応する」では遅いのが実情です。以下のような取り組みが求められています。
- 介護と仕事の両立支援制度を整える
- 介護に直面する前の早い段階で情報を提供する
- 従業員一人ひとりに制度の周知と意向確認を行う
- 相談窓口の設置や社内研修の実施
- 短時間勤務など柔軟な働き方を導入する
こうした取り組みは、2025年4月から法改正により企業の義務になっています。
職場環境整備には助成金が使えます
こうした両立支援の体制整備に対して、国から助成が出るのが「両立支援等助成金・介護離職防止支援コース」です。
労働者が仕事と介護を両立できるような、事業主の職場環境整備を支援します。
対象となる主な取り組みと助成額
| 必須となる取り組み | |
| 1 | 介護休業の取得・職場復帰支援に関する方針の社内周知 |
| 2 | 労働者との面談実施後、「介護支援プラン」を作成・実施 |
主なメニュー
| ① | 介護休業 | 労働者が連続5日以上の介護休業を取得&職場復帰 | 40万円 | |
| ② | 介護両立支援制度 | A:制度を1つ導入&対象労働者がその制度を利用 | 20万円 | |
| B:制度を2つ以上導入&対象労働者がその制度を1つ以上利用 | 25万円 | |||
| ③ | 業務代替支援 | 新規雇用 | 介護休業を取得した労働者の業務を代替するために代替要員を新規で雇用又は派遣で受け入れ | 20万円 |
| 手当支給等 | 業務を代替する労働者への手当制度等を就業規則に 規定、支給 |
5万円 | ||
※支給額は労働者1人当たり。①~③それぞれ1事業主5人まで。
どんな制度を導入すればいい?
- 所定外労働の制限
- 時差出勤制度
- 深夜業の制限
- 短時間勤務制度
- 在宅勤務制度
- フレックスタイム制度
- 法を上回る介護休暇制度
- 介護サービス費用補助制度そして、実際に従業員が制度を1つまたは2つ以上利用したこと。
「うちは小さな会社だから…」という方こそ
「助成金は大企業向けでしょ?」
「そもそも介護制度なんて、導入しても誰も使わないのでは…?」
そんな声もありますが、中小企業こそ“予防”が命です。
限られた人数で業務を回しているからこそ、ひとりの退職が経営に直結してしまうのが現実。
助成金をうまく使えば、費用を抑えつつ制度を整えることができます。
介護に直面した従業員を支えることは、会社を支えることでもあるのです。
辞めさせない会社になるために
介護離職を防ぐために必要なのは、特別な制度ではありません。
今年施行された、育児介護休業法は業種や規模に関係なく、すべての会社にとって義務となりました。
「相談しやすい」「柔軟に働ける」「ちゃんと情報がある」
そんな環境があれば、多くの人が“辞めずに済む選択”を取れるはずです。
両立支援助成金を活用して、制度をかたちに。
法の遵守+αで、助成金を受ける職場環境整備ができます。
介護に直面しても、仕事を続けられる職場づくり、お手伝いします。
















