「130万円の壁」に立ち向かう新制度登場!
― 短時間労働者労働時間延長支援コースとは?
「もっと働きたいけど、手取りが減るのがイヤで…」
そんなパート従業員の声、聞いたことはありませんか?
その背景にあるのが、いわゆる「130万円の壁」。配偶者の扶養に入っているパート・アルバイトの方は、年収が130万円を超えると自らが社会保険に加入する必要が出てきます。その結果、手取りが減ることを避けて、あえて労働時間を抑えている方も少なくありません。
このような「働き控え」をどうにかできないか――。
そこで新たに登場したのが、キャリアアップ助成金の「短時を超える間労働者労働時間延長支援コース」です。
なぜ今、新しいコースができたのか?
すでに、年収106万円で発生する“もう一つの壁”に対応する助成金(社会保険適用時処遇改善コース)は存在していました。
しかし、これだけでは社会保険料の負担が大きく、手取り減少も大きい130万円の壁を超えるハードルを下げるには不十分でした。
そのため、令和7年2月、自民・公明・維新の三党合意により「130万円の壁」対策の強化が決定。
新たに「短時間労働者労働時間延長支援コース」が創設されました(令和7年7月1日スタート)。
当分の間の暫定措置であるため、終期は未定。ただ、「社会保険適用時処遇改善コース」は令和7年度末で終了となり、令和8年度以降は「短時間労働者労働時間延長支援コース」の活用をお願いします、とのことから、令和8年度も続くと思われます。但し、要件が厳格化される可能性もありますので、支給をお考えの会社さんはお早目の対応をご検討ください。
この新コースでは、労働者の労働時間延長や賃上げなどの取り組みを行いながら、社会保険の適用を進める企業に対して、1人あたり最大75万円の助成が用意されています。
また、事業主にとっては、既存の従業員の労働時間を延長することにより人手不足解消につながります。
どんな企業が対象? いくらもらえる?
― 支給要件と金額の詳細
今回の「短時間労働者労働時間延長支援コース」では、単に労働時間を延ばせば良いというわけではありません。働く人の手取りがしっかり増えるような仕組みが組み込まれています。
具体的な支給要件は?
対象となるのは、
6カ月以上雇用されていて、社会保険未加入の非正規労働者です。
主な取り組みは以下のようになります:
- 週の所定労働時間を5時間以上延長
- または、4時間以上かつ5%以上の賃上げを実施
つまり、ただ働く時間を延ばすだけでなく、賃上げも含めて“収入の底上げ”をしていくことがポイントです。
労働時間の延長については、延長前の6カ月の週当たりの平均実労働時間と延長後の6カ月の週所定労働時間との差が5時間以上になっていることが必要となりますので注意。
支給額はどれくらい?
事業規模に応じて、支給額が変わります:
小規模事業者とは、常時雇用する労働者※の数が30人以下の企業
※常時雇用する労働者とは
①雇用期間が2カ月を超えている労働者
②週の労働時間が、会社の正社員とおおむね同じ人
| 企業規模 | 1年目支給額 | 2年目支給額 | 最大合計 |
|---|---|---|---|
| 小規模企業 | 50万円 | 25万円 | 75万円 |
| 中小企業 | 40万円 | 20万円 | 60万円 |
旧コースからの切替えも可能?
これまで「社会保険適用時処遇改善コース」の労働時間延長メニューに取り組んでいた企業も、条件を満たせばこの新コースに切替えて申請することが可能です(令和7年7月1日以降)。
たとえば、
- 手当支給+労働時間延長の併用を予定していた場合
- まだ支給申請をしていない対象者がいる場合
は、より助成額が手厚い新コースの活用を検討する価値ありです。
また、解雇があっても申請可能。
【まとめ】“130万円の壁”をチャンスに変える
この新しい助成金コースは、単なる「お金の支援」にとどまらず、
パート・アルバイトの方の「もっと働きたい」という思いに応える制度でもあります。
社会保険の適用を通じて、安定した雇用や職場定着にもつながる本制度。
「うちの会社にも使える?」と思ったら、早めに検討を始めてみてはいかがでしょうか。
















